怪我の回復具合はいかがだろうか・・・?

中日 田島


名古屋市天白区出身、中部大第一高、東海学園大、中日ドラゴンズ。名古屋で育ち、名古屋のプロ球団に入団し、8年間で385試合も投げた鉄腕。プロ通算97ホールド、75セーブ、防御率3.46は立派な記録であろう。そして2016年シーズンに樹立した開幕からの連続無失点31試合という記録は未だに破られていない日本記録である。そんな田島投手には何が足りなかったのか・・・?



それはきっと運だろう。



中日ドラゴンズがセリーグ優勝2連覇(2010・2011)を達成した後の2011年ドラフトで、ドラゴンズから3位指名されて入団。田島が入団すると同時に監督は落合博満氏から高木守道監督に代わり、チームは日に日に弱くなり、主力助っ人3人(ブランコ・ソト・ソーサ)をDeNAに根こそぎ引っこ抜かれたあたりから一気に崩れ落ち、谷繁政権に変わりユニフォームは黒くなり、ドラゴンズは暗黒時代へ突入していった・・・。そんな暗黒時代で最も働いた投手。大車輪の活躍を見せたのが田島慎二投手である。


2015年~2017年の3年間は、64試合・59試合・63試合と多くの試合で登板して防御率は2点台。ホールドとセーブを積み重ねたのだが・・・あまりにもチームが弱く田島の活躍の印象も薄まってしまった。巨人戦、特に東京ドームで印象的な負け方を繰り返した事もあり、ドラゴンズファンの田島に対する印象は決して良いものでは無かった。そして8シーズンで385試合に登板した田島の右肘は悲鳴をあげた。



太りすぎ


阿部に打たれ過ぎ



事実だった。でも田島の功績を考えると、非常に冷たく無情なドラゴンズファンの声であった。仕方ない、ファンは現在しか見ていないのだから。過去の栄光だけで絶賛し続けられるファンはごく一部であろう。田島もあと5年早く入団していたら、浅尾・岩瀬らと一緒に黄金時代を歩めただろう。あと5年遅く入団していたら、現在の生まれ変わろうとしているドラゴンズの一員となれたであろう。田島には運が無かったのだ。それはもう戻せない仕方のない事実。しかし、田島投手がここ10数年の間で最も活躍したドラフト3位である事も紛れもない事実である。


<歴代ドラフト3位>
2008年 岩崎 恭平
2009年 中田 亮二
2010年 武藤 祐太
2011年 田島 慎二
2012年 古本 武尊
2013年 桂 依央利
2014年 友永 翔太
2015年 木下 拓哉
2016年 石垣 雅海
2017年 高松 渡
2018年 勝野 昌慶
2019年 岡野 祐一郎


ビックリするくらい、田島以外の印象が薄い。ここ数年の間に入団した選手はこれからだろうけども、それにしてもいかに田島が活躍したかが良く分かるメンツである。ちなみにドラフト3位ではなく4位と5位にスポットを当ててみると・・・


<歴代ドラフト4位>
2008年 高島 祥平
2009年 松井 佑介
2010年 森越 祐人
2011年 辻 孟彦
2012年 杉山翔大
2013年 阿知羅 拓馬
2014年 石川 駿
2015年 福 敬登
2016年 笠原 祥太郎
2017年 清水 達也
2018年 石橋 康太
2019年 郡司 裕也

前半は活躍出来なかった選手が多いですが、後半は期待したい選手が多いですね。



<歴代ドラフト5位>
2008年 岩田 慎司
2009年 大島 洋平
2010年 関 啓扶
2011年 川崎 貴弘
2012年 溝脇 隼人
2013年 祖父江 大輔
2014年 加藤 匠馬
2015年 阿部 寿樹
2016年 藤嶋 健人
2017年 伊藤 康祐
2018年 垣越 建伸
2019年 岡林 勇希

大島・祖父江・阿部・藤嶋、そして岡林。


こうしてみると、直近12年間のドラフト入団選手の中で3位よりも4位と5位の選手の方が活躍しているのがよく分かります。下位指名選手が活躍するスカウト力を評価すべきなのか、有力選手を指名できるはずのドラフト3位で田島以外を外し続けているスカウト力を憂うべきなのか、そのあたりの評価を覆すべく現役ドラフト3位のキノタク・石垣・高松・勝野・岡野あたりには覚醒を期待したいところです。


田島慎二投手は地元枠でもあり、直近12年間で唯一の主力ドラフト3位選手でもあります。トミージョン手術から不死鳥のごとく復活してほしいですし、ドラゴンズ悲願のリーグ優勝に貢献して頂きたいです。仲の良い大野雄大投手が大活躍しています。


今度は田島投手の涙を大野投手が茶化す場面を微笑ましく見てみたいですね!!